上野公園
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Invisible Stratum –見えない地層–

Invisible Stratum

co-curated by Miho Odaka / Federica Chiochetti

眼に映る像は常に貧しく、不確かだ。想像力は、記憶と知識の宝庫の助けを借りて、経験、文化、歴史がその手にゆだねるすべてのものの助けを借りて、この像を豊かにし、補う。…記号や、偽りの外観や、控え目に、ときには押しつけがましく注意を促すイメージから成るこの世界を離れるや、その文様の複雑さで意表をつく一つの瑪瑙が、前よりいっそう私を夢想へとさそいこむ。

ロジェ・カイヨワ 《「石が書く」岡谷公ニ訳》

割れた鉱物の内側には、外側からは想像もつかないような深淵なる美しい小宇宙が広がっていることがあります。日々歩いている地面の下にも何十億年という膨大な時間の層が確かに存在していますが、私たちが普段目にしている世界はごく僅かな表層にすぎません。それらの隠れた地層からはしばしば化石や土器などが発見され、私たちは発掘された遺物からその時代の生命の息遣いに耳を澄ますことができます。 東京都内で開催される初の屋外写真フェスティバルとなるT3 PHOTO FESTIVAL TOKYOでは、『見えない地層』というテーマのもと、私たちの「見る」という経験についての問いを投げかけ、この世界に存在する目に見えぬ様々な事象を可視化しようと試みる国内外の9名の写真家達の作品を展示いたします。私たちは普段、ものを見るために、眼の網膜を通して脳に伝達された視覚情報だけでなく、記憶、嗅覚、触覚、経験、それら全てを総合して「見る」ことを行なっています。 一人として同じ人間がいないように、私たちには同じように「見る」ことはできないのかもしれません。 新緑の美しいこの季節、上野公園から谷中にかけての散策を楽しみながら、目に見えないものについて思いをめぐらせてみたり、光や風を感じながら「見る」ことを体感してみてはいかがでしょうか。

T3 フォトフェスティバル 展示コーキュレーター 小高美穂

東京国際写真コンペティション 受賞者展「ORIGIN」

《-ORIGIN-》Tokyo International Photography Competition (TIPC)
– Winners Exhibition

「世界の写真コミュニティの懸け橋になることを目的に設立された、東京国際写真コンペティション(TIPC)。第4回目となる今回も全世界で募集され、世界で活躍するキュレーターや写真家、写真ディレクターたちによって、約1300名から8名が選ばれました。 募集テーマは「ORIGIN―起源―」。 私たちは何者で、どこからきて、どこに属しているのか? アメリカ、ベルギー、イタリア、カナダなどさまざまなルーツを持つ写真家たちからの回答となる表現を、お楽しみください。本展はT3 PHOTO FESTIVAL TOKYOで受賞者展が開催される他、シンガポールとニューヨークにて展示され、世界で好評を博しました。

Partner Exhibition:
「おとなになったら」/「分かちあう人々」― 国連人道問題調整事務所(OCHA)

Partner Exhibition:
"One Day I Will" / "What We Share"
by UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA)

今、世界は未曾有の人道危機に直面しています。世界各地で1億2,800万人もの人々が人道危機に巻き込まれ、生きるか死ぬかの窮地に陥っています。紛争などによって、6,500万人という記録的な数の人々が家を追われました。その多くは安全と支援を求めて、着の身着のまま逃げてきた人々です。
今回の写真プロジェクトを通じて、私たち国連人道問題調整事務所(OCHA)は、紛争や自然災害に見舞われた人々の物語をお伝えできればと思います。人道危機の中で生きるとはどういうことか――それを浮き彫りにすべく、写真家ヴァンサン・トレモ-氏が、悲惨な人道危機にある国々でこれらの作品を撮影しました。もう家に帰れないと分かったら、あなたは誰を頼りますか。もしすべてを失ったら、あなたは何を望むでしょうか。
最初の企画展「おとなになったら」は、人道危機をくぐり抜けた子どもたちの将来の夢を伝えています。人道危機を抱える国々で生まれた6歳から18歳までの子どもたちが、自分の身のまわりにある物を使って、将来なりたいものを表現してくれています。子どもが語る未来の夢からは、厳しい現実や課題が浮かび上がってきます。また同時に、人道危機下にあっても、教育の果たす役割の大きさをお分かりいただけるでしょう。教育は、成長過程にある子どもたちの安全を守り、成人後の機会を保証するだけでなく、より平和な世界を築く礎にもなるのです。
2つ目の企画展「分かちあう人々」は、家を追われて避難する人々とそれを支える人々の関係性に焦点を当てました。ニジェール南東部の都市、ディファで撮られた一連の写真は、ナイジェリア北東部の戦火から逃れてきた人々と、彼らを受け入れた地元の人々の物語を伝えています。彼らの姿を通して、見知らぬ人とでも支え合い、わずかな物や家でさえ分かちあおうとする、人の結びつきの力強さを感じていただけるのではないでしょうか。

「Invisible Stratum 見えない地層–」出展作家

タイヨ・オノラト &
ニコ・クレブス

エヴァ・ステンラム

サルバトーレ・ヴィターレ

マイヤ・タンミ

鈴木理策

米田知子

山本 渉

武田慎平

宇佐美雅浩

東京国際写真コンペティション 受賞者展「ORIGIN」

ベネディクテ・
ヴァンダレート

エリザ・タモー

アンドレア・フォリーニ

長谷良樹

ヴィッキー・リード

カイ・ケンマー

マグダレーナ・ソール

ナオミ・ハリス

Partner Exhibition: 「おとなになったら」/「分かちあう人々」― 国連人道問題調整事務所(OCHA)

ヴァンサン・トレモ-